ドイツの郵便局Deutsche Postは日本と同じく民営化されたものらしいが、日本とはいくらかサービスが異なる。
支店
郵便局はいわゆる郵便教務を行うほか、封筒や宅配便の箱などの郵便用品のほか、オフィス用品を扱う文房具店のようになっている。セール品などもあり、けっこう真面目に営業している感じだった。銀行口座開設などで使うための本人確認付きで送る郵便(Postident)も支店から送ることができる。ただし、支店によってやっていない場合があるため、Deutshce Postの支店検索で取扱い業務を調べておくほうが良い。また、スーパーの中に小規模な店(窓口だけあるような感じ)が入っていたり、町中の店(カフェだったり小売店だったりいろいろ)に郵便業務を委託しているようなパターンもある。いずれもドイツポストの看板が出ていればそこで郵便サービスを受けられる。
切手
郵便局の前などに切手専用の自動販売機があるので、そこで1枚から買うことができる。ただしこの自動販売機はおつりが硬貨ではなく相当額の切手で返ってくるので注意が必要。
宅配サービス(DHL)
結構つらいのが、宅配便は再配達してもらえないので、受け取れないときは支店に取りに行く羽目になる。不在の時は不在票のようなカードがポストか玄関の呼び鈴の近くに張り付けてあるので、それを持って支店まで取りに行く。荷物は集配局?のような大きな支店だったり、家の近所の郵便局だったりするが、集配局の場合だとミュンヘン中央駅から西にトラムで数駅のところで結構遠い。受け取りの行列も長いし、大きな荷物だと割と大変。受け取りの際は、住所の確認のため、住民登録の書類が必要な場合が多い。
配達員にもよるが、不在時はアパート内の別の人に荷物を預けることも多い(逆に、隣や別の階の住人の荷物を預かってくれと頼まれる場合も多い)。その場合は不在票に誰に預けたかなどがメモしてある。立地にもよると思うが、自分のアパートの場合は1階に印刷屋のオフィスがあり、昼間は常に空いているため不在のときはそこに預けられる場合が多かった。
Packstation
支店は夜間窓口もなく日曜休みな上に、荷物の保管期限が2週間なので受け取りに出向くのはちょっと面倒。Packstationは郵便や小包を受け取れる私書箱のようなもので、町中にある黄色いコインロッカーのような宅配ボックスに、自分の荷物を届けてくれるサービス。事前に会員登録が必要だが、無料で利用できる。
会員登録はDHLのサイトから行える。自分の住所などを入力して登録すると、本人確認つきの郵便で会員カードが送られてくる。そのカードに8ケタの数値(PostNummer)が書かれている。
使い方は簡単で、荷物の宛先に自分のポスト番号とPackstationの住所を書くだけ。DHLのサイトで指定したエリアのPackstationを検索できるので、Packstationの局番号と住所が分かる。Amazon.deのHelpにはPackstationで配送するためのHow Toがあるので、それが参考になる。ただし住所を指定した際に、PackstationはNGになる場合があるので、Amazon.deのすべての販売店がPackstationあてにできるわけではないので注意。
実際にAmazon.deで購入したときに何回か使ってみたが、荷物が届くと登録した方法で通知が来る。私の場合はSMSにしたが、普通のE-Mailでも可能なはず(注:現在はSMSだけになりました)。Packstationは大きな荷物から小さな荷物まで対応しているが、大きな荷物はロッカーの数が少ない。そのため、空きがないと支店に転送されてしまうので、その場合は通常の宅配物と同じで支店に引き取りにいかなければいけない。その場合は、不在票の代わりに会員カードを提示すると調べてくれる。私の場合、TUMのMensa(学食)の建物の外にあるPackstationを使っていたが、学生の利用者が多いせいか大きな荷物は2回ほど支店に転送されてしまった。荷物のサイズが大きくて入らないケースもある。
Packstationの受け取り方は、中央にある端末を操作してロッカーを開ける。まず受け取りを選んでカードを挿入して、PINで認証する。荷物が届いていれば「開錠」のボタンが出てくるので、それをタッチするとどこかの扉の鍵が開いて荷物を受け取ることができる。扉を閉めてログアウトして完了。カードが無くても会員番号で同じことができるような気がするが、試したことは無い。
個人的には(日本の)最近のマンションに付いている宅配ボックスが一番便利な形態だと思うが、Packstationの場合は、宛先を好きなPackstationに指定できるのが少し違う点。つまりドイツ国内にあるPackstationに自分あての荷物を送ることができるので、旅先で荷物を受け取るなどの使い方が出来そうな気がする。ネットオークション(が盛んかどうか知らないが)でも、宛先の個人情報が知られないので便利そうだ。
Packstation(帰国後)
Packstationの登録は帰国時に放置したままだったが、2年たってもまだそのまま使うことができた。Packstationはドイツ全土にあるので、たとえばミュンヘン空港で乗り継ぎがある場合、Amazon.deの商品を空港のPackstationに届くように手配しておくと、乗り継ぎの合間にピックアップすることができる。作成してから4年たつが、特に会員カードの更新などなく継続的に使えている。