3か月以上の滞在には滞在許可証が必要。結果的にすぐに行く必要は何もなかった気がする。住居を証明する書類を要求されることのほうが多く、パスポートに貼られた許可証を見せるようなことは無かった。
ビザ取得の予約
住民登録と同じ建物の別のフロアで行っている。住民登録の後に向かったがここで初めてドイツ語の壁に遭遇した。受付らしい場所を探して、"S"の窓口に行くと年配の男性がいた。滞在許可証を取りたいと声をかけると「英語はダメ」と言われてしまう。じゃあどうしたらいいの?といっても全くの無駄。いきなり立ち往生しかけたが、隣の女性(別の人と対応中)が英語を話しているではないか。終わるのを待って改めて聞くと、職業を聞かれてVisiting ResearcherとかVisiting Scholoarという語が通じていない。Scientistという語でようやく通じたようで、だったらここはフロアが違うので一つ上に行きなさいと教えてもらう。
結局は留学生用の窓口と同じだった。沢山の留学生が並んでいて、申し込み用紙を貰うだけのことに30分は待った。ここではさすがに英語を話すスタッフが2人いて、研究のためTUMに一時滞在することを伝えると、滞在許可証の取得に必要なものを教えてくれた。予約は翌日の朝(8:30)に取ってもらえた。その時に持参する用紙(書類A4用紙で6面)を人数分渡され、ひとまずは完了。待ち時間の間、飲み物や軽食をワゴンで売り歩いている人がいた。待ち時間があまりにも長いからだろうか。
申請用紙には、氏名や住所、生年月日のほか、(必須ではないが)宗教や政治に関するスタンスなど記入する欄があった。本人の両親についてもそれぞれ住所や生年月日などを記入するため、けっこう大変だった。
審査
予約の時間ギリギリに到着。 指定された場所は予約したときのフロアにある個室。部屋には若い女性が2人いて、4人で座り、滞在許可証の取得に必要な書類をそれぞれ手渡した。
訪問の目的や期間などを口頭で聞かれて、あとは書類をチェックしながら端末にデータを入力していた。写真はカットされていないものを渡したけど、スキャナで読み込んで必要な部分を張り付けるような操作をしていて、特に問題なかった。途中、出生証明の書類がどれか聞かれたので、日本では戸籍謄本がそうですと答えたら納得してもらえた(本当にそれでよかったのかどうかは知らない)。ドイツへの渡航や滞在の回数・期間、他国での滞在の有無、今回の滞在期間やそのあとどうするのか(日本に帰国するかどうか)など聞かれた。申し込みの書類以外は、すべてコピーされて手元に戻ってきた。
同じことを4人分していたので、けっこう時間がかかったが、特に問題なく完了した。 最後に受付表のような紙を受け取って、地上階の会計で手数料を支払うと滞在許可証を受け取れると言われた。
会計・滞在許可証受け取り
建物はロの字状になっていて、順番に歩いているとKasseと書かれたブースを発見。しかし誰もいなくて呼び出しボタンのようなものもついていない。しばらく待っていると人が戻ってきて、さっき貰った紙を見せるとパスポートを要求され、支払を済ませると番号札を渡されて、しばらく時間がかかるのでコーヒーでも飲んで待ってなさいと言われる。ここでは英語で話しかけると渋い顔をされたが、とりあえず英語で対応してくれた。お金は一人あたり60ユーロ(大人)、子供は半額だった。現金で支払ったが、デビットカードでも支払えるようだった。
10分ぐらい待っていると別の窓口で呼ばれて、パスポートに滞在許可証が張り付けられているのを確認して受け取り。2枚のシールがパスポートの1ページ全体にそれぞれ貼られていた。これで滞在許可証が手に入った。どうでもいいことだが、滞在許可証に印刷されている本人の写真がなぜか横に引き伸ばされていていた。
必要書類
申請時に要求された書類はこれだけでした。受付時に何が必要か個別に指示があるようなので、状況によっては変わってくると思います。保険については、日本の留学生向けの保険では歯や出産に関する保障がカバーされていないとかで有効な保険とみなされないという情報があり、Stepinというインターネットで加入できる現地の保険に入りました。実際に日本の留学生向けの保険がNGになるかどうかは分かりません。内容的には日本の保険に比べて、割高感はありませんでした。ちなみにその保険は6か月で契約したため、ドイツを出国する数日前に切れてしまうのですが、そこまではチェックされませんでした。
- 大学のインビテーションレター
- 戸籍謄本(アポスティーユと翻訳証明つき)
- パスポート
- 給与証明
- ドイツで有効な保険証書
- 写真
アポスティーユ
出生を証明する書類(例えば戸籍謄本)は当然日本語で書かれていて英語版などを発行してくれません。日本以外の外国では、内容もそうですが公的な書類で原本かどうかも分からないので、現地でも通用する証明書が必要になります。他の国でも同じかどうかわかりませんが、ドイツで出生証明をするには戸籍謄本→外務省でそれが日本国の公文書であるという承認を受ける(アポスティーユ認証)→公式な翻訳人に依頼してドイツ語に翻訳した証明書(翻訳証明つきの戸籍謄本)というプロセスで作ることができます。
つまり外務省が日本の公文書であるお墨付きを与えた書面を、ドイツ本国の指定する公式の翻訳人が翻訳した書面という面倒な手続きを経たこの書類でないと滞在許可証に有効な出生や婚姻関係などを証明した書類としてみなされません。戸籍謄本は手数料を払って窓口や郵便などで簡単に手に入りますが、外務省に郵送して(持ち込みも可)、さらにその後国内の翻訳人に依頼して(書類原本のやり取りをする必要があり、翻訳料金もそれなりに必要)と時間も手間もかかります。
しかし、2012年も2016年に滞在許可証を取得したときの雰囲気では、この書類はあまり重要視されていない気がしました(チェックされていない)。2012年の時は必要とされている書類を全部出してこれは何、これは何、と説明したのですが、2016年の時は聞かれた書類をその都度見せるようにしていたのですが、戸籍謄本は見せてすらいません(なくても大丈夫、とは言ってないので注意)。一番手間のかかる書類なので、少しは役立ってほしいのですが。
帰国後
ドイツ入国時のイミグレーションでは、過去に滞在許可証を取ったからだと思われるが、滞在理由や期間を細かく聞かれたり、再度滞在許可証を取るつもりかどうか聞かれたりするようになった(気がする)。最初はそれをドイツ語でまくし立ててくる場合が多いのでちょっとへこむ(滞在許可証を持っていたならドイツ語ぐらい分かるだろう、という理由ではないかと思う)。10年パスポートは履歴が最大で10年残ることになるので、次は5年間にしたほうが良いと思った。
追補(2016年)
基本的な流れは2012年時と同様。予約を取って指定の日時に家族全員で訪問し、係の人に必要書類などを出しながらその場で端末にデータを入力していく。4人分なのでそれなりに手間がかかるが30分程度で完了。その後、地上階のフロアで出来上がった滞在許可証(パスポートに貼り付け済み)の受け取りけと会計をして終了。あらゆるものが定期的に値上げされるドイツでは不思議なことに手数料は値下げされていた(大人一人あたり 2012年 60€→2016年 50€)。2012年の滞在許可証には何かスタンプ(期限切れ?)が押された。