インターネット回線

自宅のネットワーク回線は必要だったが、残念ながらアパートにはインターネット回線や電話回線は付いていなかった。電話の引き込み口があり、以前は電話が引かれていたような形跡があった。建物内の電話線はそのままになっているだろうから、DSLが簡単に引けるだろうと考えた。入居しばらくはプリペイドSIM(O2のFlat Lというプランで、7.5MBpsが5GBまで使える。1か月25€)を買って使ってみたが、予想通りあまり速くないのと、5GBで十分な気がしないので、その上のプラン(7.5GBに35€)にする、数か月であれ固定回線にしたほうがいいんじゃないかと思った。とりあえずはプリペイドSIMを使うことにして、1か月もあれば固定回線が引けるだろうと思っていた。

ドイツにもDSL業者は沢山あるが、最低契約期間が2年のものが多い。契約期間の縛りがない会社では、Alice(以前は別会社だったがO2のサービスになっている)しか選ぶ余地がなかった。アパートではCATVが使えたので、CATVのオプションのインターネット接続を申し込んで使うほうが早くて確実だと思ったが、大家さんを通さないと無理だと思ったので断念。

申し込み

Aliceとの契約は、インターネットから申し込みができる。O2のサイトはドイツ語で書かれているが、Webのフォームに必要事項を記入するだけなので、申し込み自体は特に困らない。 自宅住所や連絡先などのほか、支払の銀行口座番号などを申し込み時に入力した。決済方法は銀行引き落とししか無かったがしたので、現地の銀行口座が必須かもしれない。

O2の店頭でも申し込むことが出来るはず。申し込みはインターネットのほうが簡単に済ませられると思うが、トラブルになった時、電話だけで対処するのはそれなりに苦労するので、店頭で申し込むほうがトラブル対応は楽になるかもしれない。テレコムのエンジニアが来ないときに、近所の店頭に相談にいったところ、インターネットで申し込んだなら、カスタマーサポートに電話しろと門前払いされてしまった。単に運が悪かっただけかもしれない。

プラン

Aliceのプランには、固定回線(+電話回線)のAlice Homeほか、O2の携帯電話のプランなどがセットになったAlice Home & Goというプランがあり、少し複雑。携帯電話も同時に使うならセットにしたほうが安いはずだが、すでにT-MobileのSIMを使っていたので、私の場合は固定回線のみのAlice Homeを選んだ。

Alice HomeにはSとMとLがあるが、回線速度はいずれも下り16Mbpsで上りは1Mbps(別途オプションで50Mbps/5Mbpsにすることもできる)で、高いコースになると電話代が無料になるなどの付加価値が付くだけだった。私はインターネット回線だけあれば十分だったので、Alice Home Sを申し込んだ。1か月24.99€で、年中やっていそうなキャンペーンで最初の3か月は14.99€だった。そのほか初期費用で50€ぐらいかかる。レンタルモデムはキャンぺーで無料だった。日本のADSLに比べると高い気もしたが、電話回線も込になっていると思えば大差ないレベルかもしれない。

申し込む際に、50€のクーポンが付いているものがあったが、一定期間以上の継続利用が条件になっていたのでやめた。SATURNではギフト券付きで契約できそうな気がしたが、契約期間の縛りがあるかどうかは確認していない。

AliceQuickStartというサービスが無料で付いてくる。これはO2の携帯電話のデータプランでいうところのFlat M(3.6MBpsで上限1GBまで通信できるプラン)に相当するSIMが3か月間無料で使えるもの。要するに回線が開通するまでの間、これで凌いでくださいということらしい。これを最初から知っていればわざわざSIMを買わなくてもよかった気がするが、現実的に‘1か月で1GByteというのは厳しいので、固定回線の代用になるかは疑問。日経新聞電子版だけで数100MByteは使ってしまうので、節約して使ったつもりでも、最初に買った5GBも1か月たたないうちに使い切ってしまった。

申し込み後の経過

しばらくすると契約内容や接続のための書類が自宅に郵送されてきた。QuickStartのSIMは本人確認が必要な郵便で送られてきた。レンタルのモデムも宅配便で届いた。あとはドイツテレコムのエンジニアが自宅に訪問して、電話回線のチェックをするらしく、その予定日の通知が来た。7月の終わりぐらいで、申し込みから2週間ぐらい後だったと思う。しかしこの最後が難関だった。

テレコムのエンジニアが来ない

訪問時間は午前か午後のどちらかしか選べない。申し込み時には午前で希望を出していたが8:00~12:00の間に来るとしか分からない。最初の日は待てども待てども誰も来ないと思っていたら、アパートの玄関に紙が貼ってあったことが昼近くになって判明。8:30に来たけど不在でした。という内容のメモで、問題は特にどこに連絡しろとも書かれていないことだった。

とりあえず、この仕事はO2からドイツテレコムに委託されているようなので、テレコムだろうかと思い、ドイツテレコム(実際にはT-Mobile)に問い合わせると、最初はもう一度手配してあげるよという流れだったが、途中からO2の顧客だとわかると、それはO2に聞いてくださいと言われた。T-Mobile自身もDSLのサービスを提供しているので、自社の客だと思われたらしい。

O2でもう1度来てもらうようお願いして、翌週にアポイントをとって貰った。このとき、顧客番号と申し込みのときに決めたパスワードが必要になる。しかし、その翌週も来なかった。もう1度お願いしてアポイントを取ってももらうが、また来なかった。この2回は玄関先のメモも何も貼られていなかったので、ドイツテレコムの問題なのか、O2がきちんとアポイントを取ってくれなかったかは分からない。Webで調べるとドイツテレコムのサービスマンが来なくて困っている話は珍しくないらしいが、いくらなんでもひどい話。4度目に電話したときは、さすがにO2のサポートの人も謝っていたが、怒って苦情を言えるほど英語が達者ではないので、きっと紳士的な顧客に見えただろう。

ちなみに、O2のサポートセンターはドイツ語の自動アナンウンスが流れる。最初は怯んで電話を切りそうになったが、しばらく待っているとサポートの人に直接つながる。英語で対応をお願いすると、近くの人に代わってもらうか、別の番号をアナウンスされたりもした。テレコムのエンジニアの再手配をお願いするときは、調整した後にコールバックしてもらうことが多く、混んでいなければ翌週を確保してくれた。自宅の玄関に表札(名前)がしっかり書かれているかなどを確認された。テレコムの人が来なかった理由には、名前の姓名の判断がつかず、表札を見ても居住者がいるかどうか分からなかったんじゃないかと思った。

4度目のアポイントでようやくテレコムのエンジニアが来てくれた。建物の別室にあるところで回線をチェックすると、30分ぐらいで確認作業は終わった。昼ぐらいには接続できるようになっているから機械をつなげてくださいとあっけなく終わった。アパートの電話線の引き込み口は場所がすぐに分かるところだったし、建物内のことも何も聞かれなくても勝手にやってくれたので、とくにコミュニケーションは必要なかったが、作業してくれたエンジニアの人は英語が通じたので助かった。

DSL開通

電話の引き込み口は日本とは少し形状が違っているが、モデム(無線LANルーターつき)をつなぐケーブルは端子の形が決まっているようなので、どことつなぐかはすぐに分かった。モデムの電源と電話線をつないで起動して、有線LAN経由でPCと接続して、初期設定をした。

ルーターの設定は、PCのブラウザでルーターに接続すると、DSL接続のためのパスワードなど事前に送られてきた紙を見ながら入力する。それほど多機能なモデルではなさそうだが、フィルタリングやポート中継など、普通のルーターに備わっている機能備わっていた。設定項目が少なく、単語を調べながら簡単に設定が完了した。ちなみに、無線LANNは初期状態のSSIDやパスワードなどが本体の裏側のラベルに書かれているので、無線LAN接続でも同じことができるはず。

私は電話は使わなかったが、ルーター本体に電話やFAXのポートが付いていたので、スプリッタのようなものは必要なさそうだった。