ミュンヘンの住宅事情
渡航前からRigoll先生から聞かされていたことだが、とにかくミュンヘン市内の住宅事情は厳しい。
家賃は東京の都心で暮らすよりかは安い印象を受けたが、価格よりも住宅の供給量の問題が大きい。東京でも過度に価格にこだわらなければ物件なんていくらでもあるし、その日のうちに物件を内覧して決めることだってできる。ミュンヘンは100万人を超える大都市でありながら、住居を見つけることが難しく、途中から来た留学生も部屋探しには苦労していた。
そんな事情もあって大学のゲストハウスは最初から数も少なく、何か月も前から予約をしなければまず入れないようだ。最初は大学の留学生課のようなところが紹介され、入れそうな部屋があるか当たってもらったが、最終的には自力で探してくださいと沢山の賃貸業者のリストを貰った。後からわかったが、そのリストはTUMのサイトにも載っている。賃貸には家具付きとそうでないもの(いわゆる日本の賃貸と同じで、部屋だけのもの)がある。海外からの滞在者が多いだけあり、家具付きの物件には洗濯機や冷蔵庫などの電化製品、テーブルなどの家具類、ベッドやシーツ・タオルなど、物件によりけりだろうけど、日常生活が始められる。場合によっては電話やインターネット、ケーブルテレビなど現地で契約すると面倒なサービスまで含まれているものもある。賃貸
賃貸業者
賃貸業者は沢山あるが、その中でもMr.Lodgeは短期滞在者にとってよい選択肢だと思う。Webで物件を詳しく調べられ、物件数も豊富、情報の更新も早い、英語で書かれているなどの点で海外からの渡航者にとって便利な点が多い。偶然かもしれないが、同じ時期に客員で来ていた人もMr.Lodgeでアパートを借りていた。
Mr.Lodgeはミュンヘン市専門でやっているようで、入居後のサポートも手厚い。さらに便利なことは、その気になれば渡航前でも契約手続きが出来てしまう。渡航後に選ぶという考えもあったが、渡航前に賃貸契約を交わし、敷金や仲介手数料を支払い、現地で鍵だけもらう状態にして行った。住所が確定しているので、到着後すぐに住民登録などの手続きができるので、銀行口座開設や諸々の手続きも滞りなくできた。
部屋探し
Mr.Lodgeのサイトでは、希望のエリアや部屋数、予算などで検索すると、合致する物件はそれなりに出てくる。重要なのは契約可能な期間がバラバラな点。まず、すぐに入居できる物件と、今の入居者が退去した後の何月何日から可能という物件がある。あと、最低契約月数が物件によって6か月だったりもっと長かったり、逆に何月何日までというように期限つきのものもある。
部屋数は1部屋がいわゆるシングルユース、2部屋が2人用、3部屋からファミリー向けの物件。あとは物件ごとに設備が若干違っていたり、電気代やガス代が家賃に含まれているか、電話やインターネット回線が備え付けられているか(料金は家賃込だったり別だったり)などがある。室内の写真は各部屋ごとにあり、基本的には写っているものがそのまま備え付けられていると考えて良い。
私の理解では、家具付きの物件はほとんどが個人の所有物で、家主の趣味で家具や内装が揃えられているようだ。例えば壁に絵がかかっていたり、置物みたいなものが写真に写っていたら、そのままの状態で入居することになる。食器や調理器具、ベッドのシーツや布団、バスタオル、掃除道具など生活に必要なものはほぼそろっていた。Mr.Lodgeの物件紹介には、物件のレベルが☆で示されているので、これが多いほど充実しているのだと思う。私の場合は4つだったが(最高は5つ)、十分すぎるレベルだった。
アパートの契約
住宅の空き状況は月によっても変わるだろうが、私が探したタイミング(渡航の1か月半ぐらい前)では、大学徒歩圏の物件で即入居できるもので2,3件、渡航後にすぐに入れそうなタイミングで2件ほどだった。現時点で空いているものは基本的に早い者勝ちで即契約可能だが、仮予約のようなことはできないので、契約日から家賃が発生する。まあ当然と言えば当然の話。物件情報は逐次更新されるとはいえ、渡航前にこれを見せられると、心配性の人なら渡航後にすんなり決まらないかもと思うのは当然。
結局は、渡航前に物件を決めて、正式に申し込みをした。渡航後1週間ほどで入居可能な大学近く(非常に近い)の物件にした。日本に比べると部屋は広いので、2部屋のアパートでも十分じゃないかと思ったが、結果的には3部屋で正解だったと思う。2部屋の部屋はファミリー向けにはなっていないので、設備が合わないかもしれない。例えば冷蔵庫が小さいとか、キッチンが狭いなど。Mr.Lodgeによれば、通常はファミリー向けは3部屋からを想定していて、最終的には家主が判断するということらしい。
申し込みには希望の物件のほか、定型のフォームに必要事項を書いて送る。収入などのほか同居者の人数などを書いた気がする。その後、Mr.Lodgeが家主に照会して契約の可否を確認する。私の場合はすんなり契約に至ったが、家主がNGを出すこともあり得るということだろう。
補償金は2か月分で、日本と同じように退去時の原状復帰にかかった費用を除いた分が返ってくるらしい。Mr.Lodgeに支払う仲介手数料は、契約期間によって徐々に増え、最高でも家賃の150%で頭打ちになるシステムだった。これらは契約完了後の何日かの間に支払うため、銀行振り込みで家主に送金した。手数料はカードでも支払いができる(電話でしか受け付けて貰えないが、英語で対応してもらえる)。
賃貸契約書には家主と借り手の双方がサインをするもので、サインしたものをスキャナで取り込んで、メールに添付して送り返した。契約書はドイツ語だが、Mr.Lodgeが英訳したものを作ってくれた。
入居
入居は、契約日以降で都合の良い日時(平日)を決めることができた。鍵を受け取り、家主あるいはMr.Lodgeのスタッフと内装のチェックをした。これも日本でもおなじみのスタイル。30分ぐらいで確認が終わって無事入居完了。
部屋探しのヒント:オクトバーフェスト後
賃貸物件はオクトバーフェストの後がねらい目らしい。現地の学生が口をそろえてそう言う。それだけ人の移動があるということだろうか...